治療の可能性が広がりました
歯周病が進行して末期になると、骨が歯周病菌によって溶かされて後退が進み、歯を支えきれなくなってしまいます。この場合、歯周外科では治療が困難で、重度の場合は抜歯になるケースも少なくありませんでした。
これまで重度の歯周病に対しては効果的な治療法がありませんでしたが、再生療法の普及により難症例でも救えるようになりました。再生療法とは、歯周病で溶かされた骨を回復したり、ダメージを受けた歯槽骨を再生させるための治療です。
3つの再生療法
再生療法にはいくつかの治療法があり、当院では、骨移植・エムドゲイン、骨誘導再生法(GTR)の3つの方法に対応しています。それぞれに特徴がありますが、骨の欠損状態に合わせて使い分けをし、その症例に適した治療法を選択しています。
●骨移植
歯周病で失われた骨の部位に自分の骨や人工骨を移植して、骨を再生させる方法です。
●エムドゲイン
歯周組織再生誘導材(エムドゲイン)を使った歯槽骨再生療法です。エムドゲインは豚の歯牙を形成する際にできるタンパク質で、これを失われた骨、歯根膜の部位に塗布すると、歯周組織が再生します。世界的に認められた治療法で安全です。
●骨誘導再生療法(GTR)
メンブレンを使って失われた骨の形成を誘導させて再生させる方法です。患部にメンブレンを覆うと4週間程度で新しい歯周組織が生成します。
次第に歯周組織が成長して骨が失われる前と同じくらいになります。
細胞の活性化、増殖因子(エムドゲイン)、足場(人工骨、メンブレン)などが適切な濃度で適切な時間に作用されることで、はじめて再生療法は成功します。 また、力のコントロールも大切になります。手術後は必ず、固定が必要になります。